贈りものに描く。好きなように描く。
クリスマスのギフトやカードなどの贈りものに、イラストや手書きの文字でチョチョイとアレンジできたら、どんなに素敵だろうけれど、自分には「そういう」センスがないから無理。なんて思い込んでいる人は、夜空にまたたく星の数ほどいることでしょう。
今年のクリスマスカタログでイラストを担当してくださった勝山八千代さん。「そこで使うサンタの絵を、こちらに来て描いてくださいませんか?」とお誘い、ついでに(あわよくば)うまく描くコツをうかがおうと思いました。
「気負わず、考え過ぎず。好きなものを、好きなように描くのがいいと思います」
ぽつぽつと準備しながら、とつとつと勝山さんは言います。
「絵がすごくうまくなくてもいいし、正しいとか、おしゃれとかじゃなくてもいい。私の場合も好きなアーティストがいて『こういうの描けたらいいな』という、純粋な憧れからはじまりましたし」
自分流でいい。そんな肩の荷が下りる言葉を、さらりとくれる勝山さん。やがて並べだした道具もしかり。「これは百円ショップで買った、ネイル用の筆の先を切ったやつ。意外としなりがいいんです」
下に敷くのは養生シート。「水を弾くし、パレットがわりにもなる。安くて、捨てられるやつばかり。高いものだと緊張しちゃうんで」
そしてスケッチブックを出し、おもむろに描きはじめます。
「いつも、あんまり下書きしないんです。基本、雑。直に書いて、失敗したら白で消して修正するか、捨てます。この感じが自分には合ってる。最初からちゃんと書こうと思い過ぎないことですね」時おり爪で絵の具をチョチョイとなじませながら言います。「爪を使うのは、一番近くにあるから(笑)」
線の細いところはゆっくり、べたっと塗るところはざっと。そんなふうに繰り返しながら、だんだん形をなしてきました。
「あえてバランスを悪くさせているような時もあって。このサンタもわざと肩幅を大きくしたり、ヒゲを上向きにさせたり。こんなのありえないよね、からいろいろ試していくんです」
ただ「肩は肩っぽく、カクカクはさせない。見えるギリギリのところで、ちょっとくずして、面白いかたちを探していく」そうして描いて、消してを繰り返し、一番しっくりきたところで、できあがりました。やっぱり、とっても味があります。
包装紙に直に描く。
ここで、ちょっと乾している間。たとえば勝山さんならクリスマスのカードやギフトに、どんなふうにアレンジしますか?とたずねたところ。
「包装紙に描いたらたのしいと思います」
ひょいっと言い、さっそくその場でやってのけてくれました。
「こうして、こうしてくるんで、直にここに描いちゃうんです。ひとことだけでも、うれしいですよね」
最後は手に持ってパチリ記念撮影。ほら、いい感じにできました。
イラストレーター 勝山 八千代さん
YACHIYO KATSUYAMATODAY'S SPECIAL 各店では、クリスマスカタログを配布しています。勝山さんに描いていただいたイラストをぜひ手にとってご覧ください。
- *無くなり次第終了となります。