味を決める「塩」は料理で使い分ける
料理の味を決めるのに欠かせない「塩」。なんとなく「食塩」を全ての料理に使う方も多いかもしれません。塩には粒の大きさや「まるみ」「うまみ」などの味わいや成分に違いがあり、製法や産地、種類でかわってきます。
塩の種類
塩の種類や特徴を知って、使い分けてみましょう。
- ・食塩
- 一般的な「食塩」は、輸入された天日塩や岩塩が原料。精製塩とも呼ばれ、塩化ナトリウム以外のミネラル分がほとんど除去されているため塩分濃度が高く、少し舐めると辛い味がするのが特徴です。
- ・海塩
- 日本で作られる塩のほとんどは海塩。天日干しにして水分を飛ばす方法や海水を煮詰める方法などでつくられています。ミネラルが豊富に含まれており「まるみ」や「うまみ」があるのが特徴です。
- ・岩塩
- 海水が陸地に閉じ込められ、長い年月をかけて結晶化し岩のようになったもの。日本に岩塩はなく、海外では岩塩が主流です。世界の生産量の2/3は岩塩から作られていると言われ、海塩に比べて塩気が強めなのが特徴です。
- ・湖塩
- 湖から採れる塩のことで、死海やカスピ海のように塩分濃度が高い塩湖から採取し製塩されています。ミネラルがバランスがよく含まれていて、柔らかな苦味と甘味が特徴です。
波花堂 御塩
香川県 瀬戸内の清らかな海水を使い昔ながらの製法でつくられた、小さめの粒形の塩。
まるみがあり、シンプルに塩おむすびや天ぷらなどのふり塩に。
男鹿工房 藻塩
秋田県 男鹿沖の塩分濃度の高い海水を使い、平釜でじっくり仕上げた塩に海藻(ホンダワラ)のエキスを絡ませて仕上げた藻塩は、まろやかで旨味が強く磯の香りをふわっと感じます。魚料理の下味やふり塩に。
男鹿工房 スパイス塩
男鹿の塩に青森県産にんにくパウダー、クミンパウダーを合わせたエスニック風な塩。肉や魚の下味やふり塩、ドレッシングに。
Maldon シーソルト
結晶が大きくサクサクとした食感も楽しめる「食べるお塩」。イギリスの東部で200年以上も前から伝統的製塩方法を受け継いで、海水のみでつくられている塩の芸術品とも言われるほど、まろやかなうまみのある塩。揚げたてのポテトフライにふりかけたり、肉や魚はもちろん、バタートーストやパン、サラダなどにおすすめ。
ゲランドの塩
塩田に浮かぶ結晶を手作業で収穫してつくられ、シャリシャリとした食感、まろやかな味わいと甘みが残る塩で「粗塩」「顆粒」と現地では「塩の花 」と呼ばれる塩田の水面に最初に浮かぶ小さな白い結晶を「花びらを摘むように」手作業で丁寧に収穫した希少な「フルル・ド・メール」の3種類。粗塩は煮込みや茹で塩に、顆粒はさらっと使いやすいので、いろんな調理に万能に使えます。フルル・ド・メールは粗めでまろやかな口当たりなので、サラダやドレッシングに。
パハール岩塩
原料はなんと6億年前の海水。パキスタンの大地で長い年月をかけて化石となった天然岩塩の層から、特に濃いピンク色の最も食用に適した岩塩を採掘したもの。日本酒で溶いた酒塩(パハール岩塩大さじ1:酒1合)で肉や魚を洗って焼くと旨みが増します。お米を炊く際に米3合につきバハール岩塩を1~2グラム入れると格段においしくなります。
塩には味付けをする以外にも臭みをとる効果や旨味を引き出す効果など、さまざまな働きがあります。毎日使うものだからこそ、こだわりの塩で料理をおいしくしませんか。
日々の台所
2022年5月26日(木)~7月6日(水)
Jiyugaoka / Shibuya / Shinjuku / ONLINE STORE
2022年5月27日(金)~7月7日(木)
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- *会期最終日は17時までの開催となります。